当診療科で扱う主な
アレルギー性疾患

アレルギー検査
View39

患者様の訴えや症状などから何らかのアレルギーが疑われる場合、アレルゲン(アレルギーの原因となる物質)を調べるための検査として、血液検査を行っております。
当院では、一度の少量の採血で、39種類のアレルゲン(花粉、ハウスダスト、イヌ、ネコ、食物 等)を同時に調べることができる『View39』の検査を行っております。
また、項目を特定して13項目まで選択できる検査もあります。小学生以上の方であれば検査可能です。

身近に潜むアレルゲンのイメージ画像

検査項目

検査対象は以下のアレルゲン39項目となっております。

検査項目表

吸入系アレルゲン

吸い込んで体に入るもので、アレルギー性鼻炎、気管支喘息などの原因となります。

食物系アレルゲン

食べて体に入るもので、じんましん、舌・喉の痒み・しびれ、腹痛、下痢、嘔吐などの原因となります。

View39について詳しく

費用

アレルギー検査(View39)(保険適用)
4,380円(検査料)+診察料

※追加検査やお薬の処方等がある場合は別途料金が加算されます。

アレルギー検査
イムノキャップ

  • お子様でも簡単に検査できます、保険が使えます
  • 注射器を使いません、指先から簡単採血

当院では、指先からの採血により20分で結果がわかる『イムノキャップ ラピッド アレルゲン8』の検査を行なっています。
以下の患者様に適したアレルギー検査です。

  • アレルギーの原因を知りたい方
  • 静脈採血が困難な小さなお子様
  • スギやダニの免疫療法を受診したその日から開始したい方
  • 多忙や遠方のため頻回の来院が難しい方
  • すぐに結果を知りたい方

検査項目

測定アレルゲン表 アレルゲンカレンダー

検査の流れ

1.指先から採血、2.結果が出るまで20分、3.一緒に結果を確認
指先からの簡単採血でできるアレルギー検査

舌下免疫療法

アレルギー性鼻炎、花粉症の治療には、くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの症状を薬でおさえる薬物療法(対症療法)の他に、アレルゲンを少量から投与して、体をアレルゲンに慣らしていくアレルゲン免疫療法(原因療法)があります。少し前までは、アレルゲンを含む薬液を皮下に注射する「皮下免疫療法」が行われていましたが、近年では治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が登場し、自宅で服用できるようになりました。舌下免疫療法では、体質を根本的に変えることが期待できる治療法です。治療期間は3~5年と長いですが、正しい治療が行われると、長期にわたり症状をおさえたり、症状を和らげたりすることが期待できます。

舌下免疫療法は、スギ花粉症またはダニアレルギー性鼻炎と診断された方が、保険診療にて治療可能です。

舌下免疫療法のメリット

  • 自宅で治療を行える(定期的な通院は必要)
  • 「スギ花粉症」「ダニアレルギー性鼻炎」を根本治療でき、症状を軽減できる
  • 今まで飲んでいたお薬を飲まなくて良くなる

服用方法・治療期間

毎日1日1回、舌の下にお薬を置き、定められた時間そのまま保持し、最後は飲み込みます。その後5分間は飲食・うがいなどは避けてください。 治療を3~4年程度継続すると、その後7~8年は症状が抑制されていると言われています。

注意事項・副作用等

  • スギ花粉症の舌下免疫療法の治療開始の時期は、6月~11月となっています。スギ花粉が飛散している時期からの治療開始はできませんのでご了承ください。
  • 治療中、口の中の腫れ・口内炎などの口腔内のアレルギー症状、喉のかゆみ、くしゃみ・鼻水等の鼻炎症状、吐き気・腹痛などの消化器症状、喘息や息苦しさなどの呼吸器症状、意識消失などのアナフィラキシーショックを生じる場合があります。これらの不調を感じたらすぐに医師にご相談ください。

花粉症注射

当院で行う花粉症注射は、ステロイドを一切使用せず、ヒスタグロビンの投与による非特異的減感作療法を行なっています。

エピペン処方

エピペンは、ハチ毒、食物アレルギー、薬物などによるアナフィラキシー症状に対して用いられるアドレナリン自己注射薬です。アナフィラキシーとは、アレルゲンに曝露後、数分から数時間以内に出現してくるアレルギー反応で、蕁麻疹などの皮膚症状や、腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、突然のショック状態など、生命の危険を伴うこともあります。
エピペンは、アナフィラキシーの症状が出た時に使用し、医師の治療を受けるまでの間に症状が悪化するのを抑えるための補助治療剤です。
アナフィラキシーの既往のある方、アナフィラキシーを発現する危険性の高い方は、常時携帯しておくことが推奨されます。なお、エピペンは根本治療薬ではないため、使用後は直ちに医療機関を受診していただく必要があります。
当院は院長がエピペン処方医師としての登録があり、適応のある方へのエピペン処方が可能です。

エピペン
保険診療の場合約3,300円
※その他、別途診察料・検査料がかかります。

主なアレルギー疾患

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎とは

アレルギー性鼻炎とは、鼻の粘膜に花粉やダニなどの特定の物質(アレルゲン)が付着し、体内から異物を排除しようとくしゃみ、鼻水・鼻づまりなどの症状が引き起こされるアレルギー性疾患です。スギやヒノキなどの花粉が原因で、花粉の飛散時期にのみ症状を認める『季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)』と、ダニやハウスダストなどが原因で一年を通して症状を認める『通年性アレルギー性鼻炎』に分けられます。近年、アレルギー性鼻炎を持つお子様は増加傾向にあると報告されています。

アレルギー性鼻炎の症状によって、頭痛、倦怠感、集中力が続かないなど、QOL(生活の質)を低下させることにもつながります。そのため、アレルギー性鼻炎は適切な治療を行い、症状を抑えることが大切です。特に、お子様の場合は症状をうまく表現できないため、鼻をこする、口呼吸をしているなど、気になる症状がありましたらご相談ください。なお、気管支喘息を合併しているお子様では、鼻炎の治療が喘息症状の改善につながることが指摘されています。

検査・診断・治療

問診と診断により、何らかのアレルギーが疑われる場合には、原因検索のため血液検査を行います。当院では、一度に39項目を検査できるView39の検査や、小さなお子さまでも安心して行える指先からの検査イムノキャップを行なっております。特定の項目のみ選択して行う血液検査も行えます。
原因となるアレルゲンが特定できたら、その暴露を回避します。ハウスダストやダニが原因となる場合は、室内の掃除をこまめに行い、イヌやネコにアレルギー反応が出た場合には、可能な限り接触を減らすようにします。花粉症の場合には、花粉が飛散する時期にマスクや眼鏡を着用し、洋服についた花粉を玄関先で払い落とし家の中に持ち込まないことを心掛けます。
また、症状を軽減させるために抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬を内服したり、点鼻薬として鼻噴霧用のステロイド薬などを使用します。
さらに、アレルゲンがスギ花粉またはダニの場合には、アレルギー症状を根本的に治療することができる舌下免疫療法を行うことも可能です。

花粉症

花粉症とは

花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因で生じるアレルギー性疾患で、季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。原因となる植物は、スギやヒノキ、ヨモギ、カモガヤ、シラカンバ、ブタクサなどです。それぞれの植物で花粉の飛散時期が異なるため、人によって症状の出る時期もさまざまです。

スギ
1月〜5月頃まで。2月〜3月頃にピークを迎える。
ヒノキ
スギより少し遅れて飛び始め、3月〜4月にピークを迎える。
シラカンバ
北海道では5月〜6月にピークを迎える。
イネ科
カモガヤ(5月〜6月)、オオアワガエリ(6月〜8月)、ススキ(9月〜10月)
ブタクサ(キク科)
8月〜11月
ヨモギ(キク科)
9月〜10月

主な症状は、アレルギー性鼻炎の症状(くしゃみ、鼻水・鼻づまり 等)のほか、アレルギー性結膜炎の症状(目のかゆみ、充血、目脂 等)を伴うことがあります。そのほかにも、のどにかゆみ、皮膚のかゆみ・湿疹などの症状がみられることがあります。また、花粉症の人の中には、果物や野菜を食べると、口の中がかゆくなったり腫れたりする『口腔アレルギー症候群』という症状を呈することがあります。これは、花粉に含まれるアレルゲンと、果物や野菜に含まれるアレルゲンが似ているために起こります。

治療

花粉症の治療は、アレルゲンの回避と、内服・点鼻薬・点眼薬を用いた薬物療法が基本となります。抗ヒスタミン薬や抗ロイコトリエン薬などの内服薬を使用します。くしゃみや鼻水などの鼻の症状が強ければ、点鼻薬として鼻噴霧用のステロイド薬を、結膜炎による眼症状には点眼薬(抗ヒスタミン薬、ステロイド薬 等)を使用します。
また、スギ花粉症の場合は、舌下免疫療法による根本治療が可能です。
なお、毎年花粉症の症状にお悩みの患者様につきましては、原因となる花粉が飛散する前の2週間程度前から、あらかじめ症状を抑える治療薬を使用していく初期療法が認められています。同療法によって、花粉症の発症を遅らせる、症状を軽度にさせるなどの効果が期待できます。希望される方は、原因花粉の飛散時期の一ヵ月程度前にあらかじめご相談ください。
さらに当院では、ヒスタグロビン注射(非特異的減感作療法)も行なっております。

アレルゲンへの対策

花粉系【スギ・シラカンバ・カモガヤ・ブタクサ・ヨモギ】 ハウスダスト系【ダニ・ネコ・イヌ】