ニキビとは
毛穴に発生する炎症性疾患で、尋常性ざ瘡と呼ばれます。
思春期から成人にかけて皮脂分泌が活発になると、毛穴をふさぐようになってニキビができます。発症しやすい部位は、顔、胸、背中です。ストレス、睡眠不足、ホルモンバランスの乱れは、ニキビが増悪する原因となります。
皮脂の過剰な分泌や古い角質によって毛穴がつまると、皮脂がたまって面ぽうと呼ばれる状態になります(白ニキビや黒ニキビ)。皮脂がたまった毛包でアクネ菌が増殖すると炎症を起こし(赤ニキビ)、さらに炎症が悪化すると膿がたまるようになります(黄ニキビ)。適切な治療をしなければ、炎症が治まった後にクレーターのような凸凹した痕が残るようになります(ニキビ痕)。ニキビ痕は治療が困難なため、早い段階でニキビをしっかり治療していくことがとても大切です。
ニキビ治療について
ニキビ痕の治療についてはこちら保険治療
治療の中心となるのは、ニキビの原因となる毛穴の詰まりを改善させる外用薬です。当院では、ニキビ治療に特に力を入れています。患者様の症状に適した外用薬を選択し処方いたします。炎症性のニキビがある場合には、抗生剤の外用薬や内服薬も併用します。 また、必要に応じて漢方の処方も行います。
自費治療
保険治療でなかなか治らない難治性のニキビには、自費治療の併用もご案内しています。
内服
イソトレチノイン(アクネトレント)
ビタミンAの一種で、皮脂の分泌を強力に抑え、皮膚のターンオーバーを早めることで毛穴の詰まりを改善させます。また、アクネ菌に対する抗菌作用と抗炎症作用に優れているため、難治性のニキビに対して高い改善効果をもたらします。
妊娠中、授乳中、妊娠の可能性、妊娠の予定がある方は内服できません。
女性は15歳未満、男性は18歳未満の方、成長期で身長が伸びている方は使用出来ません。
処方には定期的な採血を必要とします。未成年の場合には、保護者の方の同意と同伴が必要です。
スピノロラクトン
本来は高血圧の治療に用いられている利尿作用のある薬ですが、男性ホルモンを抑制する効果があり、皮脂分泌を抑え、ニキビ治療に効果が期待できます。ニキビに対する効果は非常に高く、服用終了後もリバウンドが起きにくいとされています。成人女性で、顎から首にかけての炎症性ニキビにお悩みの方におすすめです。
妊娠中、授乳中の方は内服できません。
また、男性の方は服用できません。
処方には定期的な採血を必要とします。
低容量ピル
生理前後で悪化するニキビや肌荒れの原因として、女性ホルモンが影響しています。
排卵の数日後から生理前にかけて「プロゲステロン」と呼ばれる女性ホルモンが急激に分泌されますが、プロゲステロンには、皮脂の分泌を促す作用があるため、過剰に分泌された皮脂が毛穴をふさぐことでニキビができやすくなります。また、生理中は「エストロゲン」と呼ばれる女性ホルモンが減少します。エストロゲンには保湿効果があるので、減少することで肌が乾燥しやすくなります。ピルを飲むことでホルモンバランスを整えることができるため、ニキビや肌荒れの改善が期待できます。
AZAクリア
保険で処方するニキビの外用薬は、刺激が強かったりかぶれたりするため継続できないという方もいらっしゃいます。そのような方には、アゼライン酸を高濃度に配合した『AZAクリア』を処方しています。アゼライン酸は、海外では昔からニキビ治療に使用されてきた成分です。メラニンの生成を抑える効果があることから、海外で美白目的の治療薬として開発が始まりましたが、美白とともにニキビへの効果が認められました。古い角質が毛穴をふさぐのを防ぐとともに、アクネ菌の抗菌作用もあり、ニキビを改善させます。
妊娠中・授乳中でも使用可能です。
- AZAクリア
- 1,800円(税込1,980円)
- スピロノラクトン(25)
- 30日分 1,800円(税込1,980円)
- スピロノラクトン(50)
- 30日分 3,000円(税込3,300円)
- イソトレチノイン(10)
- 30日分 10,000円(税込11,000円)
- イソトレチノイン(20)
- 30日分 13,500円(税込14,850円)
外用
トレチノイン
ビタミンA(レチノール)の誘導体で、古い角質を剥がすピーリング効果や、皮脂の分泌を抑える作用、ニキビの炎症を抑える働きによって、ニキビを改善させます。また、皮膚のターンオーバーを促進させメラニン色素を排泄するとともに、コラーゲンの産生を促すことでハリが生まれるため、ニキビ痕を薄くする効果も期待できます。
高濃度ビタミンCローション
当院で処方しているビタミンCローションは、ニキビの原因菌であるアクネ菌の増殖抑制効果が臨床試験で示されたビタミンCを配合しています。他にも、ニキビや赤みに対する改善効果、色素沈着やしわに対する改善効果、皮膚の再生やピーリング様作用が認められています。非常に高い安定性と保湿力が特徴で、リピーターが多いローションです。
ピーリング
サリチル酸マクロゴールピーリング
肌表面の古い角質層を除去し、肌のターンオーバーを促進させる効果があります。ニキビ・ニキビ痕の改善効果の他、毛孔の黒ずみ、開きを改善させます。施術頻度は1ヶ月に1回で、5回~6回の施術が目安となります。
ピーリング(サリチル酸)マヌカピール
マヌカハニーは強い殺菌・抗菌作用を持ち、ニキビや、マスク着用による群れや摩擦が原因となって生じた肌荒れを、改善させる効果があります。また、肌を保湿する作用や、創傷治癒効果によって、刺激を受けにくい肌へと導く作用があります。
ピーリング(マヌカピール)メソポレーション
ニキビの炎症や赤みを抑える有効成分を、皮膚に導入します。
メソポレーション(赤ら顔・肌荒れ)ジェネシス
レーザーピーリング効果で古い角質を除去することにより肌の新陳代謝を促し、毛穴の詰まりを改善させることでニキビの治療効果が期待できます。
ピコレーザー(ジェネシス)ニキビ痕の治療
ニキビ痕は、大きく分けて赤み、色素沈着、瘢痕(クレーターのような凹凸)があります。 状態によって、治療方法を選択します。
赤み
赤みに反応する波長を照射する光治療、炎症を鎮静化する有効成分を導入するメソポレーション、赤みの原因となっている血管拡張を収縮させるジェネシス、ニキビの赤みに対する改善効果が高い高濃度ビタミンCローションの外用が有効です。
色素沈着
ニキビの炎症が長引いたり、炎症部分に紫外線を浴びたりすると色素沈着となります。ハイドロキノンやトレチノインの外用、色素沈着を改善させるトラネキサム酸を導入するメソポレーション、トラネキサム酸を高濃度に配合しているホワイトローションの外用などが有効です。
瘢痕(クレーターのような凹凸)
ニキビの炎症が繰り返されることで周囲の組織が破壊されると共に、組織を修復しようと過剰にコラーゲンが作られることで、皮膚の表面がクレーターのようにでこぼこになってしまった状態です。瘢痕の治療は困難ですが、当院ではピコフラクショナルレーザーを行うことで改善させていくことが期待できます。従来のCO2フラクショナルレーザー(炭酸ガスレーザー)に比較してダウンタイムが少なく、色素沈着を起こしにくい治療が可能です。
ピコレーザー(フラクショナル)